開業準備中のフリーランスや小規模法人で、自宅住所を公開せず、郵便物の管理を重視したい人向けに、バーチャルオフィス1を単独で解説します。本記事は2026年9月10~11日に取得した公式資料をもとに、サービスの内容と費用を整理したものです。料金は基本料と郵送費用が別になるため、月額だけを見ずに、初回支払額、前払費用、年間費用を分けて確認することが重要です。以下の金額は公式資料の表示額を使った試算です。税込と明記された料金は税込額を用い、単月払いの3,960円など税区分をその箇所で確認できなかった項目は表示額のまま計算しています。割引制度やキャンペーンは適用していません。申込前に税区分と請求総額を確認してください。
1. どんなサービスか
バーチャルオフィス1は、東京の渋谷・千代田と広島に拠点を持つ事業用住所サービスです。基本プランでは、住所利用・法人登記、郵便物の到着状況通知(LINE通知)、郵便物店舗受取、来客応対システム、月4回の郵便物転送、DM破棄オプション、法人口座開設保証®が含まれます。基本料は年払いで月額880円相当、単月払いで月額3,960円です。入会金は初年度のみ5,500円。郵便物の転送には別途、重量に応じた郵送費用がかかります。
店舗は渋谷店、神保町店、広島店の3拠点です。営業時間は平日11時~16時で、土日祝日、お盆、年末年始は休館です。11時~16時はスタッフが常駐し、来客や郵便物受取に対応します。申込には本人確認と事業内容の審査があります。料金が希望に合っていても、自分の事業で利用できるか、必要な資料を用意できるかを確認しておく必要があります。
2. 住所でできることとできないこと
事業用住所として、法人登記、名刺・Webサイト・請求書への記載、ECサイトの特定商取引法に基づく表記、法人口座開設のための住所として利用できます。個人事業主・フリーランスも利用可能ですが、個人の住民登録の住所(住民票を置く住所)としては利用できません。原則は1契約1法人、または1契約1屋号です。法人は社名1つと代表権を持つ人の名前1つ、個人事業主は屋号1つと代表者の名前1つが利用でき、追加の屋号・ショップ名は月額880円×12か月の追加オプションが必要です。
利用できないまたは注意が必要な範囲もあります。外国法人を代表社員とする合同会社は申込不可です。運営会社のFAQには、申込みを受け付けない事業・団体や、許認可との関係で利用対象から外れる業種が案内されています。事業用住所として使えるという説明だけを見て、自分の業種にも使えると判断しないでください。まず運営会社へ、予定する事業内容と住所の利用目的を伝えて受付条件を確認します。そのうえで許認可が必要な場合は、担当窓口へ事務所の要件を確認してください。運営会社の受付条件と法令上の一般的な要件は別に確認する事項です。
また、住所は他の利用者とビル名・号室まで共有されるため、検索でバーチャルオフィスとわかる可能性があります。本サービスは賃貸借契約ではないため、賃貸借契約書は発行されず、銀行口座開設手続き等には利用契約証明書を発行します。
3. 初期支払額と月額換算の違い
基本プラン(年一括払い)は、初年度が「入会金5,500円+基本料金10,560円(880円×12か月)=16,060円」です。次年度以降の通常基本料は10,560円で、更新料は不要と案内されています。郵送費用と有料オプションは別です。ここでいう16,060円は、初年度の前払費用であり、郵送費用は含まれません。年払いの月額換算は880円ですが、実際には12か月分を最初に支払う形になります。
基本プラン(単月払い)は、初回支払額が「入会金5,500円+基本料金3,960円=9,460円」です。以降の試算も、毎月の基本料を3,960円として計算します。単月払いの9,460円は、入会金と1か月分の基本料を含む初回支払額であり、12か月分の基本料を含む初年度総額ではありません。12か月間利用した場合の基本料合計は47,520円(3,960円×12)になり、年払いの10,560円とは差が出ます。支払いはクレジットカード決済のみで、VISAやMasterCardなどのブランドロゴがあるデビットカード、プリペイドカードも利用可能と記載されています。郵便転送費用は毎月月末にまとめてクレジットカード請求されます。
4. 月4回の郵便転送・重量別送料・通数との区別
基本プランには月4回の郵便物転送が含まれます。基本プランの料金とは別に、発送ごとに重量別の郵送費用がかかります。転送頻度は原則、毎週木曜日締め・金曜日発送です。祝祭日、お盆、年末年始などで変更がある場合は会員サイトのお知らせで連絡されます。金曜日以外に発送したい場合や追跡番号を希望する場合は、スポット転送(1回550円+発送費用)や高速転送&追跡オプション(月額880円・年払い、郵送費用は別途)を検討します。後者は月額表示880円の12か月分で10,560円の前払いに当たり、毎月880円ずつを支払う条件とは異なります。適用期間・請求時期と税区分は申込時に確認してください。
郵送費用は重量別です。50gまで150円、100gまで250円、150gまで350円、250gまで450円、500gまで600円、500g以上または中身・形状等で郵便転送できない場合は宅配便の実費です。公式資料では「500gまで」と「500g以上」の表現が並ぶため、ちょうど500gの扱いや、形状・内容物による宅配便切替の境界は、申込時に確認してください。重要なのは、この重量は「月全体の合計」ではなく、各発送単位で適用される点です。公式の計算例では、1回あたり200gを月4回発送する場合を1,800円、1回あたり120gを月4回発送する場合を1,400円としています。200gは250gまで450円に該当するため450円×4回で1,800円、120gは150gまで350円に該当するため350円×4回で1,400円です。届いた郵便物の通数と、実際に発送する回数は同じとは限りません。1回の発送に複数の郵便物が含まれる場合は、その発送の重量で料金が決まる点を確認してください。
5. 料金の具体例と算式(年間費用と前払費用を区別)
ここでは、基本料と郵送費用を分けて計算します。郵送費用は「1回200g・月4回」と「1回120g・月4回」の2パターンで示します。実際の郵便物の重量、形状、DM破棄の有無、転送停止、オプション利用によって変わります。
| 項目 | 1回200g・月4回 | 1回120g・月4回 |
|---|---|---|
| 1回の郵送費 | 450円 | 350円 |
| 月間の郵送費 | 1,800円 | 1,400円 |
| 12か月の郵送費 | 21,600円 | 16,800円 |
年払いの場合、初年度の前払費用は16,060円です。12か月の郵送費を加えた初年度の合計目安は、1回200gで37,660円(16,060円+21,600円)、1回120gで32,860円(16,060円+16,800円)です。次年度以降は基本料10,560円に郵送費を加えるため、1回200gで32,160円、1回120gで27,360円になります。
単月払いの場合、初回の前払費用は9,460円です。12か月間利用した場合の基本料合計は47,520円です。初年度の合計目安は、入会金5,500円+基本料47,520円+12か月の郵送費で、1回200gで74,620円、1回120gで69,820円です。次年度以降は基本料47,520円に郵送費を加えるため、1回200gで69,120円、1回120gで64,320円になります。年払いと単月払いでは、最初に支払う金額と12か月間の基本料合計が異なるため、キャッシュフローと年間費用の両方で判断してください。
6. 代理受取・DM破棄・LINE・店舗受取の条件
代理サイン対応は、契約がある個人・法人名義の簡易書留など、受領時にサインが必要な郵便物を代理で受け取るサービスです。受取手数料は無料で、受け取った郵便物は定期転送で発送されます。公式サイトの法人口座開設・キャッシュカード等の案内では、本人限定受取郵便は不在票を受領してLINEで連絡すると説明されています。この案内だけで、他の本人限定受取郵便も同じ対応になるとは判断せず、対象の郵便物について事前に確認してください。キャッシュカードやクレジットカードなど、サインが必要な郵便物も代理受取の対象として記載されていますが、個別の郵便物や銀行の条件によって対応が変わる可能性がある場合は、事前に確認してください。
DM破棄オプションは無料です。運営会社がDMと判断したものは転送せずに破棄されます。DMかどうかの判断は運営会社が行います。DM破棄オプションを利用しない場合、DMと判断した郵便物も連絡なく月4回の転送時に転送されることがあります。郵便物到着通知LINEを登録すると、DM以外の郵便物の破棄も依頼可能と記載されています。
LINE通知は無料オプションです。郵便物が届いた際にスマートフォンへ通知を受け取れます。転送を待つべきか、店舗で引き取るべきかを判断しやすくなります。
郵便物店舗受取は、営業時間内の店舗受取が無料です。受取には事前連絡が必要です。公式LINEの連携システムから受取日時・受取者の情報を送信するか、LINE未登録の場合はメールで連絡します。受付窓口では、本人の顔写真付き身分証明書(運転免許証、マイナンバーカード等)を提示します。事前連絡がない場合、定期転送で発送されてしまう可能性があります。営業時間外に受け取りたい場合は、時間外郵便受取ポスト(私書箱)オプション(月額2,640円・年払い)が必要です。公式資料では、時間外ポストの対象店舗や受取可能時間の説明が異なるため、渋谷店の24時間対応や各店の受取時間は確約せず、申込時に確認してください。
郵便物開封スキャンオプションは、月額880円(年払い)で毎月1件まで追加料金なしに中身をスキャンし、PDFを登録のLINEに送付します。2件目以降は1件440円です。月額制に加入しない場合でも、LINE登録があれば1件1,760円で利用可能と記載されています。定款保管オプションは月額880円(年払い)で、運営会社提供住所で登記された会員の定款を鍵付きロッカーで保管し、営業時間中に引き取れます。会議室は渋谷店で1時間1,100円、神保町店なし、広島店は問い合わせです。ワークスペースオプションは月額8,800円(月払い)で、東京23区内の提携オフィスを利用でき、月4回まで利用可能、5回目以降は1回2,200円です。
7. 申込の順序と事前確認
申込の流れは、申込フォーム入力、審査、クレジットカード登録と初期費用入金、利用開始です。審査結果の連絡時期は、公式トップページでは最短即日、FAQでは最短翌営業日と案内され、ページ間で表現が異なります。FAQでは利用開始も土日祝日、お盆、年末年始を除く最短翌営業日とされています。最短表示を開始日の確約とは受け取らず、審査結果や提出書類の状況を踏まえた日程を申込窓口に確認してください。公式の申込手順では、審査後の初期費用の決済確認をもって契約成立と案内されています。必要書類は、住民票(発行から3か月以内)、個人名義の印鑑登録証明書(発行から3か月以内)、顔写真付き身分証明書(運転免許証、マイナンバーカード、在留カード)、事業概要説明書類、クレジットカードです。法人の場合は、代表権を持つ方の住民票・印鑑登録証明書が必要です。
事業概要説明書類は、事業内容が具体的・客観的に理解できるものが望ましいです。これから事業を立ち上げる場合は事業計画書や創業計画書、本人の経歴がわかるウェブページ等、既に事業を行っている場合は契約書、ウェブページ、会社案内、決算書等が例示されています。内容が薄い資料しか提出がない場合、審査が不通過となる可能性があります。
新規で法人を設立する場合は、まず個人で申込し、審査・決済・個人契約成立後、法務局で法人設立し、履歴事項全部証明書取得後に会員サイトから契約切替を行います。契約前に無断で住所を利用することは厳禁です。FAQの申込を受け付けない業種・許認可に関する案内には、途中解約には応じない旨の注記があります。記載の位置と適用範囲を含め、契約期間、更新、途中解約の取扱いは申込時の規約と説明で確認してください。法人口座開設保証に基づく返金の条件も、これとは分けて確認します。
法人口座開設保証®は、所定のルールに沿って手続きを進めても法人口座が開設できず退会する場合、入会金と基本料金が返金対象となる制度です。銀行の審査合格を保証するものではありません。利用をお断りするケースがあり、運営会社が定めるルールに従って口座開設を行う必要があります。退会までに発生した郵便転送費用等は返金対象外です。法人口座開設マニュアル進呈、銀行提出書類の事前チェック、利用証明書の発行、キャッシュカード等の代理受取に対応すると記載されています。
8. 向く利用条件・向かない利用条件
向いているのは、自宅住所を公開せず事業用住所を持ちたい人、法人登記用の住所を整えたい人、請求書・契約書・行政書類の転送を月4回の発送で運用できる人、リモートで運営しながら郵便物を管理したい人、ECサイトの特定商取引法表記に住所を使いたい人、法人口座開設の住所として使いたい人です。来客が少なく、店舗受取やLINE通知で対応できる郵便管理が中心の人に向いています。
向かないのは、常時来客がある事業、在庫保管や作業場所が必要な事業、許認可上で専有の事務所が求められる事業です。また、住民票住所にしたい人、外国法人を代表社員とする合同会社、申込不可業種、許認可の都合で利用できない業種、居住地・年齢・在留資格によっては運営会社の申込条件に合わない場合があります。該当する条件はFAQと申込窓口で確認してください。複数法人や複数店舗を1契約で利用したい場合は、それぞれ別契約が必要です。バーチャルオフィスだとわかる可能性を許容できない場合も、事前の確認が重要です。
9. 契約前チェックリストとFAQ
契約前に確認すべき項目は、次の通りです。
- 利用目的:事業用住所、法人登記、EC表記、法人口座住所のどれか
- 業種:申込不可業種、許認可で利用不可の業種に該当しないか
- 郵便量:月4回で十分か、1回の重量、追跡、時間外受取が必要か
- 来客:頻度、会議室・ワークスペースが必要か
- 契約主体:個人・法人、1契約1主体、屋号追加の有無
- 住所表示:共有住所であること、バーチャルオフィスとわかる可能性
- 料金:年払い・単月払い、入会金、郵送費、オプション費用
- 解約:FAQの許認可に関する途中解約の注記、規約上の適用範囲と保証返金との違い
- 書類:住民票、印鑑登録証明書、顔写真付き身分証明書、事業概要説明書類、クレジットカード
- 銀行:法人口座開設保証は返金制度であり、審査合格保証ではないこと
- 境界条件:500gの扱い、時間外ポストの対象店舗・受取時間、審査日数
よくある質問への整理です。
- 住民票の住所に使えるか:利用できません。
- 法人設立前に申込できるか:個人で申込し、法人設立後に契約切替します。
- 郵便物はいつ届くか:原則金曜日発送ですが、到着日時の保証ではありません。
- 追跡番号は付くか:定期転送は普通郵便のため、スポット転送や高速転送&追跡オプションで対応します。
- 時間外に受け取れるか:時間外郵便受取ポストオプションが必要です。対象店舗・時間は確認してください。
- 複数屋号を使えるか:追加オプションで登録できますが、別の法人名は登録できません。
- 解約できるか:FAQの利用対象業種・許認可に関する案内には途中解約に応じない旨の注記があります。契約への適用範囲と更新・解約の取扱いは規約と申込窓口で確認してください。
- 銀行口座は作れるか:住所として利用できますが、開設保証は審査合格保証ではなく、所定ルールでの返金制度です。